「なぁなぁ、歌夜のメアド聞いてくれた?」
翌日、顔を見るなりライに言われた。
「あ。忘れてた」
「なんだよそれ?!ちゃんと聞いといてくれっつったじゃん!」
「わりぃわりぃ、これが終わったら聞いてやるから、な」
口を尖らせツンとしてしまったライの頭をポン、と軽く叩きながら俺は苦笑い。
……正直、もう連絡とかあまりしたくないんだけど。
「ぜってぇだぞ?!嘘つくなよ?!」
「はいはい、わかりましたー」
ライを怒らせると後が厄介だから。
俺は今朝から何度目かわからない溜め息を、煙草の煙と共に吐き出した。



