VOICE・2



「なぁなぁ、歌夜のメアド聞いてくれた?」

翌日、顔を見るなりライに言われた。

「あ。忘れてた」

「なんだよそれ?!ちゃんと聞いといてくれっつったじゃん!」

「わりぃわりぃ、これが終わったら聞いてやるから、な」

口を尖らせツンとしてしまったライの頭をポン、と軽く叩きながら俺は苦笑い。

……正直、もう連絡とかあまりしたくないんだけど。

「ぜってぇだぞ?!嘘つくなよ?!」

「はいはい、わかりましたー」

ライを怒らせると後が厄介だから。

俺は今朝から何度目かわからない溜め息を、煙草の煙と共に吐き出した。