VOICE・2



結局、歌夜のメアド手に入れといてくれよな!なんて無邪気に言うライに、しぶしぶ頷いてしまった俺は、レコーディングが終わった後、スタジオを出て夜の街をふらふらとすることにした。

「ったくライの野郎、気楽だよな…、彩都が元気だって言った途端あれだもんな…」

ついこの間までうじうじしてたくせに。

ほんと、ガキみてぇだ。

俺は相変わらず人通りの多い通りをボーっと歩きながら、周りを行き交う人込みに溜め息を吐く。

……マジでどうしよっかなぁ~。



昨日、珪甫から聞かされた彩都の現状。

ライやショウに伝えたのなんて、ほぼ嘘だった。

「今更嘘でしたなんて言ったら……だめだよなぁ、やっぱ」

チッ、と小さく舌打ちが漏れた。

時々、この面倒な自分の性格が嫌になる。