しばらくしてライがブースから出てきた。
取り敢えず今回のアルバム用の歌録りは終わり、あとはトラックダウンだとかなんだとか。

ま、スタッフ任せになる。

「あぁ~、疲れた!」

ドサリ、俺の隣、さっきまでショウが座ってた辺りにライが体を投げ出した。

ズルズルと横に倒れ、上半身だけ寝転がる。

「なぁ、サイトってアイツ等のジャケ写以外にもなんか撮ってんの?」

「へ?」

倒れた頭が俺の腰のすぐ横、そこからライが見上げてきた。キラキラした瞳で。

そのなんにも疑ってない視線に、ズキッと胸が痛くなる。

「……さぁ、それは…聞いてない」

うわ~、俺さりげなく答えれてねぇし!

しかしライは気にならないのかツマラナそうな顔して口を尖らせる。

「なんだ、つまんねぇの。今度訊いといてよ、アイツ等にさぁ」

「なんで俺?」

「だって……俺アイツ等嫌いだもん。あ、待てよ!?これは歌夜に近付くチャンスか?そうだ!そうだよな!」

動揺してる俺の気も知らずに、一人盛り上がり始めてしまったライを見下ろしながら、俺は小さく息を吐き出していた……。

疲れる……。