そんな考えがよぎった瞬間、俺は昨日珪甫から聞いたコトをショウにだけは言っておこうと、口を開いた、のに。
「ショウくん、今のテイクどうかな~?」
なんとも言えないタイミングの悪さでプロデューサーの声がとんできた。
「すいません、今ちょっと後半聴いてなくて…聴かせてもらっていいですか?」
俺から視線を外したショウはサッと立ち上がって中野のいる方へ行ってしまった。
その後ろ姿を見送って。
「中野さぁ~ん……」
俺は小さく呟き煙草の煙を吐き出しながら、天井を仰いだ。
クソッ。タイミング悪すぎ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…