しばらく気まずい沈黙が俺たちの間で漂ってたけど、それも数秒のこと。
ゆっくりと俺の方へ顔を向けたショウは、射抜くような真っ直ぐな視線で俺を見た。

薄く、酷薄そうな唇がゆるりと動く。

「タキはどうしたいんだ?」

「え?」

「この状態が良くないって言うんだったら、タキはいったいどうしたい?」

逆に問い返されて、思わず口をつぐんでしまう。

俺はただ、このままじゃいられないって、そればかりが頭の中を駆け巡ってたから。
これからどうすればいいか、なんて考える余裕なんて全然なかった。

黙り込んでしまった俺の様子に、微かにショウが笑いを漏らした。

「分かんない、だろ?……俺も、分かんねぇんだよ……」

そう呟いたショウの顔が苦しげに歪んだ。

それを見た瞬間、もしかしたらと思った。

コイツは俺なんかよりもっとずっと前から………?