翌日、俺たちCrimson Scarは相変わらず都内のレコーディングスタジオにいた。

ライの歌録りが最終段階に入っていた。
それが終われば細かな音の調整だったり、下手したら録り直しだったりといろいろあるんだけど。

まあたいていのことはショウがオッケー出せば進んで行く。
ヤツはリーダーであり、このバンドの音のプロデュースも中野と共にやってたから。

本当のところ、ショウは自分らの音に余計な人間を関わらせたくないんだ。しかし、レコード会社側は納得しない。

「売れる」アルバムを作ってもらわなきゃなんないから。

まあ当たり前っちゃ当たり前だけど。

――正直、歯がゆい。