今日を期に、僕らはそれぞれの道を歩んでいく。 それは“別々”などという哀しみに浸らせたものではなくて、いつしか交わることもあるだろうという期待をはらんだもの。 はにかむアノ子の頬のように淡く色付いた空を見上げ、かすかに甘い空気を吸い込む。 未来は確かに途方もなく広い。 けれど──と、足下に視線を移す。 思い思いの未来を指し示すかのように散りばめられた薄桃色の“矢印”たちが、そっと僕らに寄り添っていた。