コンビニラブ

前もって、聞いて知っていた、
吉野の引っ越しの日…

アンは朝から仕事で留守だった。


伸治はと言うと、
情けないことに部屋から出れず、まるで檻の中の動物のように、部屋中をウロついていた。


時間は段々と過ぎていく。
その間、
何も手につかずにいるのならと、コンビニにでも行くことにした。


エレベーターを待ちながら、
やはり上の階が気になり、階段を覗いてみる。


(俺ってやっぱ小せーなー…)


コンビニでも、何を買うわけでも無い。


バイトくんと軽く話して、
飲み物の前でコーヒーを手にした時、
ふと気が付いたように、
もう一本、手を伸ばした。


ピンポーン―――。


開いたドアの隙間から、
ニョキッと吉野が顔をだした。


「黙って行くつもりだった?」

そう言って、さっき買ったコーヒーを差し出す伸治。


「全部片付いたら寄ろうと思ってた。」

「本当かな〜。」

案外、普通に喋れている。

「終わりそう?」

「ま〜、なんとか。」

「いつ帰るの?」

「明日。」

「え!間に合うの?」

部屋を覗きながら、思わず伸治は言っていた。

「手伝おうか?」