頬を押さえると、熱を帯びている。 胸が高鳴った。 あの時と同じ感覚。 この気持ちは一体何かが判らない。 混乱していると緑が立ち上がって手を差し出した。 その手を受け取って立ち上がるが緑の顔が見られない。 下を俯いたまま顔を押さえていた。 そんな姫を見て、下から顔を覗き込んだ。 驚いて後ろにさがる。 「如何したんだ?桜」 「なっ何でもないです」 「そっか」 緑は頬を少し赤く染めながら姫の頭を撫でた。 その手が優しくて、暖かくて。