まだまだ言い争うのを止めない。 彗は何とか、緑の手から脱出したようだ。 もう言い争いだけではなくなって、手を出している。 「相変わらずだな。あいつ等」 「レン」 突然、姫の隣に現れたレン。 呆れた様に2人を見ている。 「姫。楽しかったか?」 「勿論です」 ニッコリと笑顔で答えた。 その表情を見てレンも笑顔になるが、何かを隠している笑顔。 でも、それに姫は気付いていない。 レンは静かに手を伸ばし姫の頭を撫でた。 「そっか。姫が楽しいなら俺はいいや」 撫でていた手を離して、空を眺めた。