その歌を聴いて姫は止まった。 「桜の…姫?」 まるで自分の事を言われているような気がした。 でも、相手は知らない人。 だから、自分でないと信じた。 静かに視界を3人に戻した。 そして、さっきは気付かなかった事に気付いた。 ベースを弾いていた者の首にさげられている紫色のネックレス。 見覚えのあるその形と色。 「何でこんな所に…」 右手を口元に持っていき驚く。 けど、こんな所にいるはずがない人。 だから、姫は首を振って気にしない事にした。 此処にいるはずがない、12歳の時に出会った人。