姫は衣装を着替える為に個室に入りしゃがみ込んでいた。 右手で胸を押さえた。 心臓が高鳴っている。 (何ですか…この気持ちは…) よく判らない感情が交差する。 その時、部屋のドアが叩かれた。 「姫。大丈夫?」 「大丈夫ですよ。如何してですか?」 「あのさ、姫は姫らしくしていれば良いんだよ」 「自分らしく?」 「じゃ、待ってるよ」 それだけ言って彗は離れて行った。 胸の高鳴りは納まっていた。 不思議に思ったが、気にしないで着替え始めた。