だが、今回はサラッと話した。
如何いう心境だろう。
「深栄。でも、もう平気ですよね」
ニッコリと微笑む姫。
それに頷く日向。
(何で姫はコイツの過去を知ってるのさ。しかも、良いムードかもし出して!!)
自分から切り出した話なのに爆弾をばら撒いてしまった。
「僕は…7歳かナ?」
「そん時は、まだ俺はいなかったからな」
緑と鳳明が出会ったのは8歳の時。
「でも、僕はイジメられてたから想いは伝えなかったけどネ」
ニッコリと笑いながら飴を舐めだした。
こちらも今まではイジメの事を話した事はない。
気持ち悪がられるのが嫌で隠してきたのに話した。
それは如何いう事だろう。
「如何してイジメられてたんですか?秋津はそんな感じしないんですけどね…」
姫は首を傾げ不思議そうに鳳明を見つめた。
「僕の目が気持ち悪かったからだよ」
鳳明は包帯で隠れている右目を指差した。
今まで皆、その事には触れてこなかった。


