スグに引っ越す準備をした。 緑がいない間に。 置手紙を書き、せめての情けと思い家だけは残して…消えた。 新しい家に着き、数日が経った。 その時、ある人が家にやって来た。 「どちら様ですか?」 「私、王ノ宮 歩夢と申します」 静かには自己紹介した。 「それで…何の御用ですか?」 母親は言う。 「ご主人はご在宅ですか?」 「えぇ、いますよ」 母親は父親を呼んだ。 「玄関でってのも、何だ。入りなさい」 家に招き入れる父親。