その時、鳳明が走ってこちらに向って来た。 「緑ー」 「如何した?鳳明。また、変な噂でも見つけたのか?」 緑は呆れた様に言った。 「違う!寮の前で、緑を呼んでくれって女の子がいて…その子が琴深ちゃんに似てるんだ」 その言葉を聞いて、緑の顔つきは変わった。 「琴深?」 「俺の妹の名前であり…俺を捨てた家族の1人」 緑は静かに言った。 「捨てた…」 「今更、俺に会いに来る訳無いだろうケド…一応は行ってみる」 緑は歩き出す。 「自分も行きますよ」 「僕も行く」