かすかに扉が開いていて、そこから声が聞こえた。 「申し上げ難いのですが…」 「何ですか、先生!早く言って下さい」 レンの母は言った。 「…レン君の右目は失明してしまっていて、光をともす事はもう…ありません」 医者は言いにくそうに告げた。 「先生、それ…如何いう事ですか…」 「光をともす事はないって…」 父と母は言った。 「当たり所が悪くて、眼球が傷付き視力を失ったんです」 医者は冷酷に告げる。 「そんな…」 「レンはまだ8歳なんだぞ!なのに…」