終始和やかだった今井様だが、凪雛は深々と頭を下げた。






「今井様には、感謝してもし尽くせません。」







「何を大袈裟な・・・」







「愛された奥方様がいらっしゃるのに、今回の事だけにアタクシの馴染みになって下さいました。」







「顔を、あげなさい。」








今井様は、優しく言った。








凪雛を、おずおずと顔をあげた。







「雪月が、尚五郎に言った言葉。尚五郎は一生忘れんだろうな。」








「それだけ、オマエさんの禿は強い。」







「いい遊女になるだろう。」







そう言って、杯をあげた。