「高枝先生はそんな人だとは思えない。淘子の思い過ごしじゃないのか?」
「思い過ごしなんかじゃないわよ。毎日帰る時間待ち伏せされてるし……先輩だから強くは言えないのよ……
それでね……?
郁斗に、彼氏のふりをして欲しいの……」
「はあ!?」
俺は思いがけない淘子の申し出に、つい大きな声を出てしまった。
「何で俺が……」
「わかってる。でも、数日でいいの。高枝先生に"付き合ってる"って事を示せば、きっと納得してくれると思うから」
「だからって……なんで俺なんだよ?他にもいるだろ?体育の矢田とか、音楽の戸川とか」
「郁斗にしかこんな事頼めないよ……ね?お願い……」
俺の困った顔にもお構いなしで、彼女は両手を合わせる。



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