夜ということもあって、辺りは暗く、俺はとっさに背を向けた。 それだけでも十分で、俺の存在に気づく事なく、春瀬は俺の後ろを通り過ぎて行った。 ひょんな事から… 浅利の気持ちを知ってしまった俺… あんなに知りたかった事なのに。 何故か今は、聞いてしまった事を少し後悔している。 浅利にとって緋乃は妹…。 妹として見ている緋乃を覆す事は、相当難しい事だと思う。 俺は…何だか複雑な気持ちだった。