痛みのせいなのか、何が原因なのかは分からないが…十夜は気を失っていた。


十夜の肩を支える理緒が叫んだ。



「あんた…さっきの何なのよ!!」
「死の呪い」



嘉禄が口元を歪め、呟いた。



理緒が絶句する。



そんな理緒の反応に満足したように、嘉禄は言葉を続ける。



「もう少ししたら分かりますよ…嫌でもね」




そう言って嘉禄は理緒達に背を向け、歩きだした。


歩いている途中で、嘉禄が日向と戦っている擂雲に声をかける。




「擂雲、行くぞ」


嘉禄の言葉に擂雲が動きを止める。



「えー、大将これからだぜぇー?」
「予定変更だ、引き上げる」
「ちぇーっ、分かったぜ…大将」



日向の槍を斧で受け止め、思いっきり薙いで日向を吹き飛ばすと擂雲は渋々嘉禄の後について行った。





「ま、待ちなさいよ…っ!!」



理緒が叫ぶと、村の出入口付近にいた斎雲達と合流した嘉禄が振り返って…冷笑を携えた。



「では、また会いましょう…お嬢さん」






その言葉を残し…嘉禄達は白月村から立ち去って行った―…。