――――――――… ――――――… ――――… ―――… ――… ―… 『逃げるんだ…』 …十夜は、自分の頭の中に響いた声を不信に思い、瞼を開けた。 目の前に広がるのは、先程まで自分がいた筈の白山村の宿…なんかではなかった。 山の中。 しかも、夜中の真っ暗な山の中を自分が走っている事に気づいた。 ―……いや、正確に言えば自分の体が自分の意志とは関係なく走っている。