罪線シンドローム

返事のない彼を尻目に、私は右足から彼に一歩近寄る。


すると、彼の左手が目に入った。


夜闇の中でも、ぽぅっと浮かぶ白い包帯。

今まで気付かなかったのが不思議なくらいだ。


彼に近付いたのはいいけれど、私にはそれ以上何も出来ず、ただただ……


その左手を見詰め続けた。


太陽の様に、見たくなくても存在を主張してくる物には、目を覆いたくなるけど、真っ白な包帯で隠されたその傷は、私の興味を引き付けた。