神谷は・・・・その声には聞き覚えがあった。



"かぁぁぁぁみぃや"



振り返った影は、実在のものへと、その外観を変え始めた!


大きな"角"が角刈りの頭から、二つ生えだした。


・・・・・・・・太く短い尻尾・・・・・・・、図太い腕・・・・・体中の茶色の毛を要する、その外観。



それは、まるで"ミノタウロス"のようだ。



だが、顔は・・・・・確かに"そいつ"だった。


神谷の嫌いな"国語教師"。


わざわざ・・・・・神谷に音読をさせて、読み詰まると、声を上げて笑う"ゲス野郎"。



"菅原"だった



菅原「今度は逃がさねぇ〜からなぁぁぁぁ、へへぇ〜。
"どアホ"の神谷くぅぅぅぅ〜ん」



「はぁ、はぁ、こっ、今度は・・・・なんだ・・・?」


神谷は走り続けて、まだ呼吸は荒かった。



だが、神谷は一度深く息を吸い込んだ。



そして・・・・・息が整うのを待たずに振り返ると、再び、来た道を走り始めた!