LIFE!(LOVE and DAYS・番外編①)


「アキ、わかって――」


「わかってるよ! わかってるけど、わかんないんだよ!」



6歳の俺のボキャブラリーじゃ、あのときの気持ちは表現できなくて。


俺は手当たり次第に近くの物をつかんで、オカンに投げつけた。



わかってる。
わかってるんだ。


入院しなきゃ、またさっきみたいな“ほっさ”を起こすかもしれない。


“ほっさ”を起こしたら、息ができなくて、苦しくて、死にそうになる。


だから、わかってる。


でも。

この悔しさを、歯がゆさを、どう処理していいのか。


それが俺にはわからなかった。



「アキ……ごめんね。本当にごめんさない……」



オカンは暴れる俺の体を抱きしめて、ずっと泣いていた。