佐山さんの取り巻きのひとりが、健吾に殴りかかり
場は、一気に乱闘と化した。
完全なる多勢に無勢。
もみあう男たちの中心で、健吾が殴り殴られている。
そして俺は。
俺は、激しい運動を医者から禁じられていて。
いくら病気が軽いからって、発作はいつ起きるかわからなくて。
だから殴り合いのケンカは、もってのほかで。
――なんて
冷静に考える余裕はなかった。
「健吾っ――!!」
発作のことも何もかも、このときは頭から抜けて
とにかく無我夢中だったんだ。
そう……ガキの頃
健吾を探して山を登った
あのときみたいに。



