「ごめんね、アキ。
しかたないことなのよ……」
オカンは必死で俺をなだめようとしていた。
機嫌をとる、優しい声。
俺をよけいにイラ立たせる、悲しい優しさ。
「いやだ! 健ちゃんとランドセル見せあいっこするって、約束したのに!」
「退院して元気になったら、健吾くんといっぱい遊べるから、ね?」
「元気になったらって、いつ!? ちゃんとお薬飲んでても、元気になんかならないじゃん!」
その言葉に、オカンが傷ついた顔をしたことは、子どもの俺にも見て取れた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…