今までずっと、健吾と過ごしてきた俺だから
殴り合いのケンカなんか、腐るほど見てきたんだ。
……でも、よ?
今のこの状況は、ケンカうんぬんのレベルじゃねぇよなあ?
ゲーセン裏のゴミ捨て場で
佐山さんの取り巻き十数人に囲まれた俺は、すっかり観念しきっていた。
「一応、聞いておくけど」
少し離れたところから、佐山さんが言う。
「お前が俺の女に手を出したっていうのは、間違いじゃねぇんだな?」
佐山さんの彼女がどんな風に話したのかは、わからない。
だけどあのときの彼女の怒りっぷりから想像すると、俺が悪者になっているのは明らかだ。



