自分の体が、他のヤツらと違うことにハッキリ気づいたのは
たぶん6歳のときだったと思う。
それまでも定期的に病院通いしたり、激しい運動を禁止されていたり
何となく、それっぽい感じはあったけど。
やっぱり決定的だったのは
6歳のときの入院が原因で、小学校の入学式に出られなくなったことだ。
「なんで? 明後日からみんな、学校に行くんでしょ?
なんで僕だけ行けないの?」
病室のベッドの上で、俺はさんざん駄々をこねた。
鼻にまとわりつく薬品の匂いも
キュッキュッと高い音を立てるスリッパも
すべてが憎たらしくて
すべてが敵に思えた。