佐山さんの彼女は器用に俺の服を脱がせると
ベッドに押し倒し、上から被さるように抱きついてきた。
俺の体を這うように下りていく、やわらかい唇。
首筋を通り、鎖骨――
そして、胸元に唇が触れたとき。
一瞬にして
俺の頭は正気に戻った。
そこは心臓のある場所。
俺を生かしも殺しもする、核の部分だ。
俺――
なんでこんなこと、してんだろう。
頭の中が急速に白けていった。
「……アキくん?」
動きを止めた俺を不思議がるように、佐山さんの彼女は顔を上げてこちらを見た。
「悪ぃ。帰ってもらえますか?」
「えっ?」



