まあとにかく携帯は返したんだし、これで一件落着か。 なんて考えは、甘かった。 「……えっと。 帰んないんスか?」 携帯を受け取っても立ち去ろうとしない彼女に、俺はダメもとで尋ねた。 すると、 「そんな冷たいこと言わないでよ~。せっかく来たのに」 問答無用で追い出したいところだが、ここはガマン。 相手は一応先輩だし、しかもあの佐山さんの彼女なんだから。 俺は渋々、彼女を家に上げた。 学生は今日から春休みだけど、親は普通に仕事に行ってる。 共働きのうちには、このとき俺しかいなかった。