「そうだけど……誰っすか?」
「カナだよ。あ、佐山の彼女って言った方がわかりやすいかな?
その携帯ね、あたしのなんだ」
……やっぱり。
俺は重い気分になりながら、ベッドに腰を降ろす。
「で? 佐山さんの彼女の携帯が、なんで俺の鞄に?」
「さぁ。なんでだろうね」
クスクスと小さく響く笑い声が不快で
俺は、さっさと話を終わらせたかった。
「なんかよく分かんねぇけど、携帯が必要なら今から持って行きますよ?」
「ううん、いいよ。まだ佐山といるし」
は?
彼氏の目を盗んで電話してんのかよ。
たいした根性だな、この人。



