「てかさー、やみくもに待ってて会えんのかよ」 終業式を終えて帰っていく、桜中の生徒たちにジロジロ見られながら 俺はあきれたように言った。 「んー、何とかなるだろ。外見の特徴は知ってるし」 あくまで楽観的な健吾に、ため息をつく俺。 「で、そいつの名前はわかってんの?」 「ああ。“松岡信之介”」 「時代劇みてーな名前だな」 「まわりからは、あだ名で呼ばれてるらしいぞ。 たしか――」 「シン~!」 遠くで響いた女の声に、俺たちは顔を上げた。 「あ、あいつだ!」 声の方を指さして健吾が言う。