「アキ。桜中に行くぞ」
突然、隣の中学の名前を出した健吾は
見慣れない原付に乗って俺を手まねきした。
「桜中? なんで」
「俺らとタメで、すっげーケンカの強い奴がいるんだってよ」
「ふーん」
つまりはそいつを見てみたいってわけだ。
健吾は別に、昔でいう番長タイプでもなければ、ヤンキーってわけでもないけれど
自分が一番でなければ気がすまない、要するにガキ大将タイプだった。
ケンカも遊びもスポーツも、あいつは一番にしか興味がないんだ。
「行くぞ、アキ」
「あいあい」
俺は渋々、そのポンコツ原付のケツに座った。
思えばこれが、健吾との初2ケツ。
下手くそな運転で、原付は発進した。



