「おっ、サッカーしてら」 そう言って健吾は、小学校の校庭を眺めた。 そこには、体育の授業でサッカーボールを蹴る、小学生たちの姿。 パスパス、とか、ゴール!とか、やたら元気なかけ声が風に乗って届いてくる。 「……玉なんか蹴って、何が楽しいんだろな」 思わずつぶやくと、健吾はハハハッと声を上げて笑った。 「お前は昔っから、汗かくの嫌いだもんなー」 「……あぁ」 「体育なんかほとんど出なかったし」