LIFE!(LOVE and DAYS・番外編①)


「……で、あんたはこの教室に何しに来たわけ?」


俺が尋ねると、菊池はそばにあったイスを窓際に引き寄せた。



「だってここからが一番、グラウンドがよく見えるんだもん」



そう言って真剣になる菊池の、視線の先には

陸上部のトレーニングに励む、あいつの姿。



親父さんに買ってもらったというスパイクで

他の誰よりも速く、グラウンドを駆ける健吾――…



「………」



時々俺は、健吾を見てハッとする瞬間がある。


急激に伸びた身長

たくましくなった腕

出っ張った喉ぼとけ。



あいつはものすごいスピードで、子どもの殻を破ろうとしているようで。



……小3のあの夜、俺に支えられながら一緒に山道を歩いた健吾は

もういないような気がしてしまうんだ。