「はいはい」 俺の言葉を真に受けず、サラッと流す菊池。 その反応に、俺は満足する。 【橘アキはサボり魔】 【ちょっと変わり者だから、無断欠席もしかたない】 そんなイメージを自ら、周りに植え付けるように 俺はずっと振舞ってきたんだ。 そうすれば、俺が走れない本当の理由を、誰も追及しないと思ったから。 “走れない”のではなく “走らない”だけ。 そんなイメージで見てもらえるように、いつも涼しい顔をして 感情を表に出さず、淡々と過ごしてきた。 いつの間にかそれが、自分の性格になっていた。