―――――――― ―――――― ―――― 「……おい、アキ!」 「ん?」 「なーに笑ってんだよ」 学ランを着た高校3年生の健吾が、単車にまたがって、俺を急かす。 「早く乗れって」 「ん、ああ」 ……いけねー。俺、めっちゃ回想にふけってたじゃん。 俺は健吾の単車のケツに乗った。 目の前には健吾の背中。 ……あんなにチビだったのに、成長したよなぁ。 なんて俺がしみじみ思っているとも知らず、 健吾は上機嫌に単車を飛ばす。