……ガサッ。 後ろで草が揺れる音がして、俺たちは同時にふり返った。 やわらかい月光で照らされた山道に それはいた。 「あ……あぁぁっ!」 ほんの一瞬の出来事。 俺たちが叫んだときにはもう、それは素早い動作で地面を這い、草むらへと隠れていった。 「み、見たか!? アキちゃん!」 「うん、見た!」 「今のって……」 『ツチノコ!?!?』 みごとにハモったふたりの声が、夜の山に高らかに響いた。