時刻は夜の9時を過ぎていた。 いくら健吾が悪ガキとはいえ、小学生が外をふらつく時間帯じゃない。 「心配だから、お母さんも探しに行ってくるわね。 アキはお父さんが帰ってくるまで、玄関の鍵を開けずに待ってるのよ」 「う、うん……」 ツチノコ探しのことは、大人には言えなかった。 それはたぶん、子ども心に芽生えた罪悪感からだろう。 俺が健吾の誘いを断ったせいで、あいつはひとりで山に入ったんだ。 オカンが出て行った数分後。 俺はとうとう耐えきれず、家を飛び出した。