「何、何? ……ツチノコ?」
通称・勉三さん(塾に通っていて、クラス一頭がよかった)が、漢字だらけのその雑誌を読み上げる。
「えーっと、幻の動物・ツチノコに似た生物が、K県のA山にて目撃された……」
「A山っていったら、すぐそこじゃん!」
身近な地名が出たことで、クラスメイトたちの目の色が変わった。
健吾は「だろ!?」と身を乗り出した。
「お前ら、見てろよ!
俺がツチノコ捕まえてやっから!」
え~っ!という驚きの声に、教室が包まれる。
が、健吾を見つめるみんなの瞳は、すでに期待で輝いていて。
きっと健吾なら、やってくれる……
そう思わせる特別な何かが、あいつには昔からあったんだ。



