LIFE!(LOVE and DAYS・番外編①)


「おおぉ~~!」


クラスメイトたちの尊敬のまなざしが、健吾に注がれる。


雑誌ドロボー。実にしょうもないイタズラだけど、小学3年生から見れば偉業だ。



「すっげぇ~。さすが月ちゃん!」


「あの先生怖いのに、健吾くんって勇気ある~!」



当時、健吾のことを「健ちゃん」と呼ぶのは俺だけだった。


健吾くん、健吾っち、月ちゃん……


健吾のあだ名は数多くあったけれど、「健ちゃん」は俺だけ。


幼い俺にとって、それは誇らしくもあり、どこか気恥ずかしくもあった。




「でさ、お前ら、これ見てみろよ」


健吾は着ていたパーカーの下から雑誌を出して

机の上で、あるページを開いた。