3年生に上がるころになると
俺と周囲との間には、ハッキリとした溝ができあがっていた。
笑わない。
しゃべらない。
授業中に先生に当てられても、返事すらしない。
そんな俺に、トモダチなんてできるわけがなく
かと言って、イジメの対象になることもなかった。
そう……
俺が、“あいつ”の幼なじみだからだ。
「こらぁーっ!! 月島ーっ!!」
先生のどなり声が廊下に響く。
こんなことは日常茶飯事で、誰もが「またか」という感じで笑っていた。
月島健吾。
俺の幼なじみ。
クラスは別々だったけど、あいつの名前を聞かない日は、一日たりともなかった。



