「いま隊長のところへ行ったところで、お前に何ができる!?」 その言葉を聞いた途端、その抵抗がぴたりと止まる。 三浦の腕の中でずるずるとしゃがみこみ、涙を拭うこともせずにすばるは泣いた。 戦場で泣かない理由。 皆瀬すばるは── あたしは、一人の隊員だから。 あたしは、こどもじゃないから。 すばるの中で渦巻くのは、今まで自分にそう言い聞かせてきたこと。 でも、それは隊長がいてこその話。 隊長。 隊長が、いなきゃ。