「ほら…始まった」 にこ、と紺野が頬を緩める。 ゆっくり、ゆったりと。 敵機が海に吸われていく。 「……ッ!!」 隊員が言葉を無くしたように立ち尽くしていた。 水面に叩きつけられた鉄屑に水柱が吹き上がる。 高い位置からの落下は、およそ地面と衝突する衝撃をその機体に集約させた。 「……まず一機」 笑みを一瞬にして消滅させ、紺野が呟く。 「特務機動隊に手出したこと、後悔させてあげるよ……春樹レイ」 《トリカゴ》の骨組みが朝日に反射していた。 その朝が、近づいていた。