今回の戦闘は、主にゲリラ戦となる。夜の闇呑まれた《トリカゴ》に攻め来る敵軍の撤退。



航空隊に配備された機体の中に、ナイトスコープや赤外線を利用したレーダーが装備されているものはあるが、なにぶん数が少ない。

陸上機動の原が司令塔となり、安原・紺野がそれをサポートする形をとった御堂の選択は、言えばセオリー通りだ。




安原はあえて、落ち着いて駐屯場の扉を開けた。



夜の戦闘は焦ったら負けだ。



そう自分に言い聞かせながら。