「…解ってたさ、そんぐらい…でも、何か嫌だったんだ」


緑は言いました。


「如何してですか?」

「好きな人の事は、いろいろ知りたいじゃなーか」

「でも、その好きな人を傷つけたんですよ。貴方が」


その言葉に、反論出来ない。


「姫は、緑の事を1番信頼してたんですよ。なのに、その貴方が…私も緑には期待していたのですが…」


学園長は溜め息をついて言った。


「俺、謝りたいんだ。姫に」


緑は真剣な目で言った。


「何所にいるかも判んないのにですか?」


「…探すさ!何所までも」


緑はハッキリ言いました。


「良い目をしてますね。姫が何所にいるかは、判ってますよ。姫は、有栖川にいます」

「有栖川に…解った!俺、迎えに行ってくる。そして、謝る」

「クフフ、言いましたね。連れて帰ってきなさいよ!必ず」


まるで、そう言うのを待っていたかのように言った。


「当然!じゃ、行ってくる!」

「僕も行く!」

「僕も!」