「あの、明日には戻ってもいいですか?」
「いいですよ。元から、私が頼んだ事ですからね」
「荷物は今日中にまとめます。それで、朝には此処を去ろうと思います」
姫は言いました。
「別れは…言わないんですか?」
「言えませんよ…会ったら、気まずくなりそうですから」
「そうですか」
「短い間でしたが、青葉には大変お世話になりました。ありがとうございました」
姫は頭を下げた。
「こっちだって、姫にはお世話になりましたよ。生徒達の心の傷を消してくれました」
「でも、全然…消せませんでした」
「彼等の心は、姫といる事で癒されたと思いますよ。ちゃんと、見守っていますよ」
学園長は姫の頭を優しく撫でた。
姫の目は少し涙目になっている。
「学園長…いや、これからは理事長って言わなきゃいけませんね」
姫は言いました。
姫は青葉学園を去る事にした。
でも、その事を緑達は知らない。
謝る前に、姫はこの学園を去っていく
。
姫がいなくなったら、彼等は如何するだろう。