「独りになるのが、嫌だったんですよね」


その言葉に、玖流は静かに頷いた。


「心に傷を負ってしまっていますね。少年」

「僕は、如何すればいいの?」

「私の学園に来ますか?」

「学園?」


玖流は不思議そうに言った。



「私は、青葉学園学園長の王ノ宮 歩夢と申します。心に傷を負った生徒が沢山いますよ。学園に来れば、貴方は独りには決してならない。本当の貴方を見てくれる子ばかりです。私は、貴方の心の傷を消す為に学園に入るように誘いに来たのです」

「僕を…誘いに」

「えぇ、来るも来ないも貴方の自由ですよ。来ると決めたのなら、此処に連絡を」


そう言って、名刺を机の上に置きその場を去った。


「…如何するの?玖流」


母は訊いた。


「僕は…僕は、行きたい!青葉学園に」


「そうか!お前のしたいようにすればいいんや!」


父は言った。


「…うん」





こうして、玖流は青葉学園に来る事にした。

でも、今だ本当の性格を出せずにいる。

前のままの、関西弁にポジティブがプラスされている。

彼の心の傷を消える事はあるのだろうか…