部屋に入って、リンゴを出すと下手くそだなぁ…と言ってベッドへ寝込んだ。


熱は、まだ下がらなくて。


薬を飲んだら、帰るつもりだった。


爆睡状態のタケル。


そっと、近寄ってみる。


「……タケル。ごめんなさい!私、嘘ついてた。
1年前のエイプリルフールの日に、大好きって言ったでしょ?あれから、私の気持ち…変わってないんだよ…」


寝ているタケルに話し掛けて、どうにもならないんだけど。


次々と言葉が出るのは何故?


「彼氏に振られたのも嘘なんだよ。いや!彼氏なんて始めからいなかった。
それはね?タケルに近づきたくて…!
私、最低な女だよね…」


知らぬ間に、涙が出てきて。


タケルから離れる。


もう、いっぱいいっぱいだよ。


寝ているタケルを起こさないように、静かにタケルのアパートから出た。



最後までずるいかもしれない。

でも。


これでいいんだ。
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