お姉ちゃんは、時間が気になったのか、自分のケータイの時刻を見た。


「あっ!もうこんな時間だぁあ!
バイトのことはミーナに任せたよっ!んじゃ、行ってきまーす♪」


「えっ…ちょっ……」

バタン。
と、玄関のドアの閉まる音。

お姉ちゃん…人にバイト押し付けて行っちゃったよ……


お姉ちゃん……柊 綾乃(ヒイラギ アヤノ)17歳
アタシと見た目はソックリだけど、趣味は真逆の…でも、私の自慢のお姉ちゃん。


いつもなら、こんなことしないのになぁ……

きっと、すごく彼のこと好きなんだな


私と違って、頭も良くて、スポーツ万能なお姉ちゃんは、めちゃくちゃモテる。

だから、彼氏の一人や二人は見たことあるけど……だいたいの人が軽くて、すぐに別れたんだっけ。

んで、別れる度にお姉ちゃんは言ってたな。
「あの人はあたしの運命の人じゃない〜っ!」って。

だけど今回は長く続きそうかも。あんなに恋愛に必死になるお姉ちゃん、初めて見たし。んじゃ、今の彼氏が運命の人……なのかな??


運命の人…か

………いいなぁ…


恋愛未経験のあたしは、これから出会いがあるのかな?


だとしたら………